下記は院長が参加している分子栄養学実践講座を主催されている宮澤先生のブログです。巷では分子栄養学という名前でサプリで栄養を補給しましょう! という本やネットの文章をみますが、それは違いますよ!というお話です。
最近、「分子栄養学」「オーソモレキュラー」という言葉を、一般の方からもよく耳にするようになりました。
ありがたいことです。
しかし、臨床の現場で感じるのは──
「それ、ほんとうに分子栄養学ですか?」
という違和感です。
いま、日本の栄養療法の多くは、こんな流れで進んでいます。
血液検査をする
→ 数値の低い栄養素を見つける
→ サプリを出す(または点滴する)
シンプルで、説明もしやすいし、制度上も安全。
実際、「サプリが欲しい」「ビタミン点滴を受けたい」というニーズには、これで十分です。
でも、本当にそれだけでいいのでしょうか?
僕たちが目指すべきは、
「数値を正常に戻す」ではなく、「身体の本来の機能を取り戻す」ことです。
アメリカやオーストラリア、ドイツ、スイスなどでは、血液検査は入口です。
彼らが重視するのは、「どこで止まっているのか?」 つまり、機能の流れです。
・なぜ栄養は入っているのに使えていないのか?
・代謝はどこで詰まっている?
・なぜこの臓器が働けていないのか?
そのために、血液だけでなく、
便検査(腸内環境)
有機酸検査(ミトコンドリア・神経系・解毒)
毛髪ミネラル検査(排泄と蓄積パターン)
といった機能検査を組み合わせて、流れ全体を見ています。
これは検査好きだからではなく、慢性的な不調の正体が、機能低下にあることを知っているからです。
・栄養は足りているけど、使えていない
僕が診る患者さんの中にも、こんな方がいます。
・サプリはたくさん飲んでいる
・血液検査では「問題なし」
・でも、疲れやすい、眠れない、頭が働かない
このとき、問題は「足りていないこと」ではなく、 「使えない状態になっていること」です。
・副腎が疲れていて、代謝が回らない
・腸が荒れていて、吸収できない
・解毒が滞って、ミトコンドリアが働けない
そんな状態で栄養だけを足しても、ほとんど効果は出ません。
いくらガソリンを入れても、エンジンが壊れていたら走らないのと同じです。
「サプリ外来」と「分子栄養学」は違います。
誤解のないように言っておくと、 僕はサプリメントや点滴そのものを否定しているわけではありません。
「サプリが欲しい」「点滴で元気になりたい」
そのニーズははっきりしているし、それで満足なら、それでいいんです。
でももし、
・今より明らかに元気になりたい
・自分のパフォーマンスを最大限に取り戻したい
と思うのなら、
「何を足すか」ではなく「どこが壊れているか」に目を向けてください。
本来の分子栄養学(オーソモレキュラー医療)は、 数値を整える技術ではありません。
・副腎の疲弊か?
・ミトコンドリアの機能低下か?
・腸の問題か?
・解毒の滞りか?
こういった機能低下を見極めて、順序立てて修復していく医学です。
だから、血液検査だけではダメなんです。
日本の栄養療法が血液中心になりやすいのは、制度や運用上の理由もあるでしょう。
でも、それを乗り越えていく時期に来ていると思います。
「血液検査で終わらせない」
「機能を評価する」
「壊れている場所を特定して、修復する」
これができてこそ分子栄養学です。
分子栄養学実践講座もそこを目指しています。