どんな人生にも意味がある5
院長です。
前回までの「創造価値」、「態度価値」に続いて今回は、
3つ目の「態度価値」についてです。
「態度価値」とは、
自分では変えることの出来ない出来事に、
”その人がどのような態度をとるか”によって
実現される価値のことです。
強制収容所のような場所では、
目の前の状況を何とか切り抜けるだけで
精一杯だったはずです。
しかし、だからこそ変える事の出来ない運命に対して、
その人がとる一つ一つの態度の中にその人の
精神性が示されたのです。
言い換えると、
引き受けざるを得ない運命に
”その人がどのような精神を持って相対するか”
によって実現される価値のことです。
極端な言い方をすると、
人は何も生産的な活動をしなくても、
何の素晴らしい体験をしなくても、
そこにどのように存在するか、
その存在の仕方によって価値を現出させているのです。
苦しい収容所の中でも、
仲間の間を巡り、励ましの言葉をかけ、
時にはもっと飢ている人に自分のパンを
与える被収容者がいました。
態度価値の実現だけは、
どのような劣悪な環境にあっても可能なのです。
例えば、入院して「創造価値」「体験価値」の実現の機会を
失い死の瞬間にあったとしても、
なお周囲への思いやりの気持ちを忘れない態度。。。
ここには人間らしい無比の業績があります。
以上のようにフランクルによる「3つの価値」は、
人間の人生はいついかなる時でも、
すなわち健やかなる時も、
病めるときも、
死の瞬間にあっても、なお、
その意味を実現する機会が失われる機会がないこと、
また、
これら3つの価値のいずれかによって、
私達の人生はいつでも有意義なものにすることができる可能性が残さ
れていることを示しています。